二大政党が遠のいて

先の選挙で、民主党は大敗してしまいましたが、逆に言えば、流動的な支持層を除いたときに獲得できる議席が110議席あたりだということがわかったことになります。
結局今回の選挙で、小選挙区制という制度が、右か左か、という二者択一のオセロゲームあるという現実であることが分かった以上、自民党が求心力を失った際にはスムーズな政権交代が行われなければいけません…
が、今回の選挙を踏まえてみれば、民主党の底はたかだか110議席自民党の底は歴史から見ても220議席、約二倍の差があります。この状態でスムーズな政権交代など可能でしょうか?
そもそも、今回の選挙で大多数の国民は、本当に自民党の政策に心底納得したのでしょうか?自民党の総裁たる小泉氏は、自らの政策の論理的正しさを語ったでしょうか?前回の選挙までは民主党に票を入れていた国民は、今回の選挙では明らかにその多くは自民党へと票を投じています。これはどういうことでしょうか?潜在的に改革を望んでいる国民に対して、「手っ取り早く改革を実現できそう」な位置にいる革新的人物、つまり小泉氏が登場したことで、そちらに鞍替えしたに過ぎないのではないでしょうか?
私は別に、自民党支持者というわけでも、民主党支持者というわけでもないですし、民主政治を衆愚政治であると思っているわけでもないですし、日本の有権者が馬鹿であると思っているわけでもないですが、馬鹿ではないからといって物事の選択を安易に行わないとは限りませんので、もし自民党が、利権体質を改革によって是正することができず、既成の構造の破壊するに留まってしまった場合、せいぜいトクをするのは外国のどこかの企業だけで、国民にはロクに利益などないのですから、当然考え直したりすることになります。
そういったときに、万全な後衛と言える野党が必要です、たった今はこれで良かったとしても、再び国民が自民党に「飽き」て、新しい指導者を望んだ場合に、スムーズな政権交代ができないのであれば、結局55年体制の繰り返しです。しかし、今回の選挙では民主党にそのような力は無いという現実が露呈しました。
次の選挙では恐らく小泉氏はいないでしょうが、そのときにはせいぜい民主党には「インテリ層に支持されている政党」と呼ばれる程度に強固な組織体制を作り上げて欲しいものです。